観光と両替機

インバウンド活況が認知されていく中、様々な研究調査も進み、課題も浮き彫りとなってきました。
wi-fi環境の整備、案内の多言語表記、コミュニケーションツール等などが訪日観光客が不便を感じる上位でしたが、国や自治体が積極的に対策をおこなった結果、 今やJapanフリーwi-fiが普及し、どの観光地に行っても外国語による案内板があり、観光ボランティアによる案内などが行われるようになってきました。

一方、なかなか解決せず残っていく問題もあります。 一番大きな問題が「お金」の問題です。日本では外貨の両替できるところが限られています。 旅行客の方々が必要と感じるときに、すぐに日本円を得られる手段が必要になってきます。
このお金の問題、直接的に観光客を呼ぶものではなくても、様々な分野が相互に作用していく「観光クラスター」という考え方においては非常に重要な位置にあります。


参考として2011年5月11日「リアルエコノミー」に掲載されたのが以下の記事です。《以下引用・一部抜粋》 「ATMも観光のツールだ」と言うのは、札幌大学経営学部教授の佐藤郁夫氏。観光とマーケティングについて研究している佐藤教授は、これまで観光と無縁と見られていた銀行や保険業界も観光の一翼を担う意識を持つべきと強調する。

東日本大震災で観光客が激減している道内だが、観光立て直しにはこれまでの垣根を超えた取り組みが求められる。
「観光とATM」のように一見関係のない言葉同士を結び付けていくと、北海道観光の新たな地平が広がる。
つまり、ぶどうの房のようにクラスターになっているのが観光というわけ。大学、研究所、地方自治体、銀行、保険も産業を担っているから当然、観光に結びつく。
「観光とATM」は、例えばオーストラリアからの観光客が、ATMを使ってもオーストラリアドルと連動していないから使えない。これでは長期滞在するオーストラリア人にとって不便この上ない。あらゆる産業網に観光という横串を通すことによって、外国人をはじめ道内を移動する道民観光客にとっても利便性、快適性はより高まることになる。  
一見、離れているような事象を結び付けていく発想は地域振興にも効果をもたらす。 引用ここまで。 つまり、ATMなどはそれを目的に観光客が来るものではないが、観光客の利便性を補完することによって、快適に旅行していただきリピート・集客増につなげていくという考えです。


これが5年前の記事です。 当時は外国人旅行客のお金に関する問題は、クレジットカードの普及で解決するという考え方が多くを占めていました。 しかし、現実問題すべての商店・施設でクレジットカードを利用可能にすることは不可能に近く、またセキュリティにおいても大きな偽造事件が起きたところであり不安があることが分かりました。
そこで登場するのが、外貨自動両替機。 どこでも小さなスペースがあれば設置可能であり、24時間対応で日本円を提供することができる。
両替所を設置するのと比べ、格段にコストが低く、設置においての障壁が少ないのも魅力であります。
我々は日本の観光産業の振興のためには、この外貨自動両替機の普及が絶対であると強く確信し、今日も雨の中お客様のところへ足を運ぶのでありました。

前の記事

インバウンド市場

次の記事

会議風景